俺が中国の桂林で日本語学校の留学生募集の説明会を開催したときの話

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朝の通勤ラッシュで混雑したJRの車内。週明け月曜日の朝特有の重たい雰囲気が車内に立ち込めている。

ダルさMAXの車内から逃れるように、俺は車窓に流れる東京の景色を眺める。

電車は中野を過ぎ、緩やかなカーブを描いて新宿の高層ビル群に突入していく。

メタリックでできた巨大生物の体内にある臓器を思わせるビル群。新宿という魔物だ。

そのカーブに差し掛かると、俺はいつも息を止める。水中に潜るかのように息を止め、そして新宿という魔物の体内に身も心も突入する。

ここは明らかな境界線。中と外は異なる世界。この中では、ビジネスマンが互いの戦闘力を誇示し、競い合う世界。

俺は自分のビジネス戦闘服を確認する。

ネクタイとワイシャツ、ジャケット。

よし、完璧だ。

そしてベルトとスラックスにピカピカに磨いた革靴・・・・・・

ん??

むむむ・・・

あれれ?

ズボンを履いていない。下半身がパンツと靴下と革靴という自分の姿に気づいた。

な、な、な、なんてこったあ!

パンツ一丁の下半身に、ワイシャツが情けなく垂れ下がっている。

か、か、完全に寝ぼけて、ズボンを履き忘れちまってる!会社どーすんだよ、取引先への訪問どーすんだよ!

やべーーー!

というところで目が覚めた。

俺は目覚めてからもまだ出勤のことを考えていた。

寝ぼけ眼をこすると、勤めていた複写機メーカーの会社は退職済みで、そして、パンツ一丁で通勤電車に乗っていたのが夢であったことに、心底ほっとした。

で、ここはどこ・・・だっけ?

俺

あ、そうだ、日本語学校の出張で中国の桂林に来たんだった。

サナダ先生にお任せしたぞい。できるだけ多くの美女を来日させるのじゃ。

俺は日本語学校の校長を思い出し、朝から憂鬱になった。

そこで俺はホテルのベッドからようやく起き上がった。

俺

ご挨拶が遅れましたが、自称「はぐれメタル日本語教師」のサナダです。

俺は中国の桂林を訪れていて、勤務先の日本語学校の留学生募集業務を遂行するため、現地のコーディネーターさんの協力も得つつ、留学説明を桂林で開催する、というのが今回のお話です。

コーディネーター兼通訳のヤンさん

俺はあらかじめ連絡をとっていた桂林の現地コーディネーターさんに電話をかけた。

俺

あ、もしもし、○○日本語学校のサナダですけど。ヤンさんのお電話ですか?

ヤンさん
ヤンさん

はいー、そうですー。こんにちは、ようこそ桂林に。

俺

ええ、どうも。

ヤンさん
ヤンさん

ずーっと何週間も待ってたあるよー!サナダさん、来るのが遅いがすぎるあるね!

俺

なんか、また変なキャラが登場してきたな・・・。悪い予感しかしねえ。

ヤンさん
ヤンさん

今日の留学説明会、よろしくあるよー!サナダさんが日本語で話して、私中国語話すあるね。

俺

は、はい。通訳もヤンさんがするんですね。よろしくお願いします。

ヤンさん
ヤンさん

任せてあるよー!

俺

こ、こいつで本当に大丈夫か・・・?

ヤンさん
ヤンさん

説明会は2時間。逐次で通訳あるから、実質1時間の内容なるね。

俺

わかりました。で、今日は何人くらい参加してもらえそうですか?

ヤンさん
ヤンさん

300人は入るあるね。日本、人気あるねー。

俺

じゃあ、説明会資料のコピーは念のため400部お願いします。

ヤンさん
ヤンさん

400ページもあるね?多すぎあるね!実質1時間の内容あるって、私さっき言ったあるね!

日本語が通じてねぇ・・・。「部数」と「ページ数」を完全に混在させてやがる。

俺は電話を切り、腹ごしらえをしに桂林の町へ出た。腹を満たして気を取り直す必要があった。

桂林の食堂で

桂林のメインストリートは旅行者で溢れていた。いわゆる観光地だった。

昨日は日が暮れてからバスが薄暗い町外れに着いて、目の前にあったホテルにそのままチェックインしたが、桂林の町並みは魅力的な観光地だった。

レストランや安宿、旅行代理店や土産物屋が軒を連ねていた。

俺は目についた食堂で小籠包を注文すると、すぐにアツアツの小ぶりな小籠包がでてきた。海老がぷりぷりで思いの外、美味しかった。

小籠包

俺は続いて麻婆豆腐を注文すると、見ただけで激辛であることが容易にわかる代物がでてきた。

麻婆豆腐

俺は麻婆豆腐を汗を流しながら食べた。

あっつー。めちゃめちゃ、あっつー。

ハアハア、ハア、あちー、あっちー。

すると店員が寄ってきた。

店員

そして中国人民には珍しくニコニコとした表情を浮かべて、

店員
店員

謝謝

と言って、デザートの杏仁豆腐を追加でサービスしてくれた。

杏仁豆腐

俺は少し戸惑いながらも、

俺

謝謝

と返して、麻婆豆腐を食べ終えると、杏仁豆腐をいただいた。

しかし、俺が杏仁豆腐を食べているのを店員はずっとテーブルの脇についてニコニコしながら眺めている。

店員

申し訳ないが、シンプルにウザい。

店員の視線が気になりながらも、俺は杏仁豆腐を食べた。

サービスでいただいた杏仁豆腐を半分ほど食べたところで、店員が聞いてきた。

店員
店員

熱いか?

俺は一瞬、耳を疑ったが、「いや、熱くない」というジェスチャーで首を振った。

店員が一瞬、怪訝な顔になった。

そして、もう一度聞いてきた。

店員
店員

熱いか?

よくよく考えると、この店員は日本語で「熱い?」と言っている。片言の日本語で発音は聞くに耐えないが、積極的な接客に励む、珍しくも立派な中国人店員だ。

しかし、杏仁豆腐が熱いはずもないので、俺はまた首を振った。

すると怪訝な顔が真っ赤に燃え上がり、俺の食べかけの杏仁豆腐を無理矢理にさげ、近くのゴミ箱に皿ごと投げつけて叫んだ。

ブチギレ店員

ちゃんちゅんちょーまーしゃーしゅーかぇーちゃましぇーてきとーなちゅーごくごー!

俺はその光景に呆気に取られたが、落ち着いて状況を整理した。

①ニコニコ顔で杏仁豆腐をサーブした店員。まあ、ここまではよかった。

②でも、的外れな質問を日本語でしてきた。「アツイ?」それも下手な発音で。

③俺は杏仁豆腐が熱いはずもないので、首を横に振った。

④このやりとりを2回繰り返したところで、店員がぶち切れて、俺の食べかけの杏仁豆腐を皿ごと下げてゴミ箱にぶち込んだのだ。

意味不明だ。

俺は杏仁豆腐の料金も含まれる会計の支払いをして、首を傾げながら店を出た。

俺

杏仁豆腐は頼んでないし、ぜんぶ食べる前に下げられ、それで請求されるんかよ・・・。

異文化体験(杏仁豆腐は熱いか?という誤解)

ヤンさん
ヤンさん

サナダさん、それ熱いじゃなくて、ハオツーですよ。

俺

は?

ヤンさん
ヤンさん

美味しいは、中国語でハオツーとか、ハオチーであるよ。

俺

え?

つまり、俺が麻婆豆腐食べながら、「熱ー」、とか「あちー」とか言ってたのが、店員には、「ハオチー(旨いー)」とか「ハオツー(旨えー)」に聞こえていて、店員の気をよくしていた。

それで、杏仁豆腐をサービスしてくれて、「ハオツー(旨いか)?」って、何度も訊いてきたわけだ。それが俺には日本語で「熱い?」に聞こえたことで誤解が生じた。

俺は(杏仁豆腐は熱くないという意味で)首を横に振るもんだから、「旨くない」って意味で店員が誤解したのだ。

ヤンさん
ヤンさん

わっはっはっ!よくある話あるね!

俺

正直、そんなこと知るかよ。

ヤンさん
ヤンさん

さあ、サナダさん、説明会はじまるあるね!いそぐ行くあるね。遅刻日本人ダメあるね。

俺

お、おう。ていうか、お前の日本語能力で通訳大丈夫か?

俺はほとんど心配事をしない性格だが、この時ばかりは心配になった。

留学説明会での圧倒的な違和感

ちゃんちょんしゃーきぁーしぇーてきとーちゅーごくごー。

ヤンさんのでかい声で来場者が一斉に拍手をした。

300人とか言ってたが、実際は80人足らずだった。まあ、それでもよく人を集めてくれたほうかもしれない。

俺は説明会の資料の内容に入る前にまずは挨拶を行った。

俺

えー、皆さんこんにちは。○○日本語学校のサナダです。

すかさず、ヤンさんの中国語の逐次通訳が入る。

ヤンさん
ヤンさん

ちゃんちゃーしゅーれんちゃんちゃーしゅーれんちゃんちゃーしゅーれんちゃんちゃーしゅーれんちゃんちゃーしゅーれんちゃんちゃーしゅーれん、てきーとーちゅーごくごー。

俺

本日はお忙しい中、日本留学説明会にお越しいただきありがとうございます。

ヤンさん
ヤンさん

じゃーちゅーしゃーまいーてーわーむ、じゃーちゅーしゃーまいーてーわーむ、じゃーちゅーしゃーまいーてーわーむ、じゃーちゅーしゃーまいーてーわーむ、じゃーちゅーしゃーまいーてーわーむ、てきーとーちゅーごくごー。

俺が一言話す度に、ヤンさんの逐次通訳が入る。

俺

ぜひ、今日のお話を聞いて、具体的に日本への留学を検討いただけると嬉しいです。

ヤンさん
ヤンさん

うぉーしぇーまーしぇいーどぅいどぅいまーふー、うぉーしぇーまーしぇいーどぅいどぅいまーふー、うぉーしぇーまーしぇいーどぅいどぅいまーふー、うぉーしぇーまーしぇいーどぅいどぅいまーふー、うぉーしぇーまーしぇいーどぅいどぅいまーふー、うぉーしぇーまーしぇいーどぅいどぅいまーふー、てきーとーちゅーごくごー。

俺

で、では、資料の1ページをあけてください。

ヤンさん
ヤンさん

うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、うぉんごーしぇましゅしぇー、がーまーしゅーいうぇい、てきーとーちゅーごくごー。

俺は何か妙な異変を感じていた。

俺

ひ、開きましたか…

ヤンさん
ヤンさん

しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーじぇいみゅーまーしぇい、しゃんじゅーてきーとーちゅーごくごー。

俺は何かものすごい不自然さを感じて動揺していた。

俺

留学とは、夢を叶えるツールです。

ヤンさん
ヤンさん

うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、てうぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふうぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、うぉーしぇーまーふーぼー^まーふーふー、ーふー、きーとーちゅーごくごー。

この圧倒的な違和感の正体に気づいた。ヤンさんの逐次通訳が、いちいち長いのだ。

俺が一言話すと、すかさず中国語を挟んでくる。まあ、それは逐次だから当然なのだが、その逐次訳がやけに長いのだ。

俺

皆さんは外国語を勉強したことがありますか?

ヤンさん
ヤンさん

まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、てきーとーちゅーごくごー。

俺

英語に挫折した経験ですね。私にもあります。

ヤンさん
ヤンさん

しゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーぇい、てきーとーちゅーごくごー。

俺

私にもあります。

ヤンさん
ヤンさん

ーもーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーぇい、てきーとーちゅーごくごー。

俺

でも心配しないでください。日本語は中国語と同じ漢字圏の言語です。

ヤンさん
ヤンさん

ーもまーみゅーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、ーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、みゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーぇい、てきーとーちゅーごくごー。

俺は苛立ちが頂点に達しながらも、平静を装い、なんとか説明会を続け、休憩時間に俺はヤンさんに訴えた。

俺

てめぇーこら!俺が中国語わからねぇことをいいことに、何勝手に話してんだよ。

ヤンさん
ヤンさん

サナダさん、落ち着いてあるね。情報を付け足してるあるね。

俺

付け足す?

ヤンさん
ヤンさん

中国人、退屈な話、聞かないあるよ。だから、面白おかしく脚色してるあるね。

俺

脚色なんかすんな!余計なことしなくていいから、黙ってそのまま中国語にすればいいんだよ!通訳ってそういうもんだろーが!

ヤンさん
ヤンさん

サナダさんの言うとおりにするあるね。

俺はとりあず、一通り思いの丈をぶちまけたので、意外にもすっきりした。

俺

みなさん、休憩は終わりです、説明会を続けましょう。

ヤンさん
ヤンさん

ーもまーみゅーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、ーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーゅゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーししゅーしぇい、まーみしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、みゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみまーみゅーもーゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーしゅーしぇい、まーみゅーもーぇい、てきーとーちゅーごくごー。

またまた懲りずに脚色しまくりなヤンさんの通訳に俺はなんだか笑えてきた。

こいつはもしかすると、情報追加とか、脚色とかではなく、まったく違う話をしてるんじゃねえか、と思えてきた。そう考えるとヤンさんが全方位型の詐欺師に見えてきたし、どこからどう見ても詐欺師にしか見えなくなった。

詐欺師

その後、俺は「説明会の打ち上げ兼夜の裏説明会」と称してヤンさんと二人で桂林のKARAOKE007Xという夜のお店に繰り出すことになるのだった。

<つづく>

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