皆さん、こんばんは。
ねじれ日本語教師のサナダです。
俺は日本語学校の出張業務で中国を訪れたのだが、初日の夜に現地のキャバクラに飲みに行ったら、あろうことか酔っ払ってパスポートを紛失してしまった。
俺は自分の軽率な行動を猛省するも、時すでに遅し。
失くなったパスポートは、どこかに落としたのか、それともキャバ嬢に盗まれたのか、最早わからない。昨晩行ったキャバクラの場所や店名もわからないので、問い合わせることもできないし、帰りに乗ったタクシー会社も覚えちゃいない。
結論、パスポートを自力で探して見つけるのは不可能ということだ。
俺は藁にもすがる思いでホテルの受付に相談するも解決策などなく、最終的には受付の中国人男性が面倒臭くなってぶち切れるありさま。
あんたなー、落し物したんなら、警察行けやー!!俺に言うなやー!!!
確かにそうだ。ホテルの受付にうだうだと相談しても埒があかない。俺は中国人の受付スタッフが言う通り、警察に行って失くしたパスポートについて相談することにした。
広州の交番 中国人警官
俺はホテルのボーイに近くの交番の場所を教えてもらい、歩いて交番まで行った。
お前、誰やねん。
交番の中から目つきの悪い人民警官が出てきた。
をーしーりーべんれん(我日本人なり)。
おお!日本人か。ひっひっひ。
お忙しいところすみませんが、落し物をしたんですけど。
あん?落し物だと?
ええ。昨晩、キャバクラではしゃいで酔っぱらいまして。で、今朝、気づいたらパスポートがなくてですね・・・。
日本人のパスポートがなくなったから?中国の警察が?
ええ、だから紛失届とか盗難届とかの必要な書類を発行したり、捜査したりしてもらえないですかね。
なんで日本人のパスポートを中国人が探すんだ?
いや、だからここは交番で、あなたは警官ですから・・・。
んだあ!ふざけんな糞日本人!!お前のパスポートなんか知らねえんだよ。こっちは忙しいんだよ。
な、なんなんだこの警官は。話になんねえ・・・。
俺はこの警官とやり合う気は毛頭なかった。が、警官が妙な提案をしてきた。
おい、日本人。落し物したんなら、新聞に広告載せたらいい。300元でどうだ?俺が仲介してやるよ。
この警官は本気で言ってるのか?俺は横暴な態度の中国人警官に底知れぬ怒りがこみ上げてきた。
おい!いい加減にしろよ。あんたの国じゃ、落し物をしたら新聞に広告載せて探すんかい!?
それでパスポートが見つかったら、解決だろーがよ。
ふざけんな、そんなんで見つかったら警察いらねえだろうがよ!
なぜか新聞広告にパスポートの落し物情報を掲載するハメに
俺は警官とのやりとりが面倒になり、その場を後にしようとした。すると態度の悪い警官が30元でいいからと、新聞広告にパスポート紛失情報を載せてやると妥協案を示してきた。
パスポートを失くしたからといって、そのことを新聞広告に載せるなんて、そんなアホな話があるかと思っていたが、なんだか警官とのやりとりも面倒になり、新聞広告に「俺の失くしたパスポート求む」といった広告を30元で載せるのも、後々ネタになるんじゃねえかと思いはじめた。
中国人警官は紙と鉛筆を持ってきて、掲載内容を書けと言ってきた。俺は中国語で正しく書く自信はなかったのだが、とりあえずそれらしく見えるように書いてみた。
我紛失我的日本旅券在酒飲店、我探求我的日本旅券
正しいのか正しくないのかわからないままに(たぶん、いや絶対に正しくないだろ)、俺はこの文面で中国現地の新聞広告に載せることにした。
不思議なことに、これで無事にパスポートが戻ってくるような気がしてきた。
とりあえず、パスポートを取り戻して、出張業務にとりかかんなきゃいけない。
もちろん、新聞広告に載せたところで、パスポートは戻ってこず、その3日後に俺は広州の日本領事館から連絡を受け、お叱りを受けた。なんとか領事館にてパスポートの再発行をしてもらえることになったが、俺は再発行を待つ間に桂林に行き、出張業務を遂行することにした。
<つづく↓>
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